37. 道は人を通じて生きた力となる

 思想とか信念とか信仰とかいうものは他から与えられたものでは駄目で、個人の魂、個人の人格を通じて発してくるものでなければならない。どんな立派な理論信仰でも、それが自分の中を通じてこなければ、決して生きた力にはならない。
 かの日蓮という人が出れば、日蓮を通じて法華経は新しく活かされ、あのような新宗教になる。しかし法華経というものは新しいものでも何でもない。親鸞(しんらん)にしても道元にしてもみなそうである。何も別段新しいものを拾ったのではない。国民の中から一人でも多く大覚者、志士、仁人が出て真剣にものを考え、行動することである。そうすれば必ずやがてそれは大きな力になり、組織になり、時勢を動かす。それよりほかに道がないのである。



(大 和)